【内容が伝わる】イベント企画書の書き方とは。3つのポイントから解説
イベントの成功には、入念な準備が必要です。なかでも全体の方向性を決める企画書は、関係者の認識をそろえたり、検討すべき内容をまとめたりといった役割があるため、イベントの成否を左右する重要な要素といえます。
今回は、イベントを成功に導くための企画書の書き方を解説します。展示会やイベントを開催したいと考えている方は参考にしてみてください。
イベント企画書の目的は「認識をそろえること」「承認を得ること」
イベント企画書の目的は、大きく「認識をそろえること」「承認を得ること」の2つにわけられます。
考えたイベント企画を実現するには、決裁者に内容を伝えて納得してもらい、開催の承認を受ける必要があります。また、実際に企画が承認されたあとも関係者同士で認識をそろえ、イベント当日に向けた計画的な準備も必要です。
イベントの企画書はわかりやすい内容で作成するだけでなく、内容が相手に「伝わること」が重要です。内容がきちんと相手に伝わらなければ時間を失うだけでなく、自身の評価やその後に影響を及ぼします。まずは、なぜイベントの企画書を書くのかといった目的を確認してから、作成に着手しましょう。
イベント企画書の構成・書き方とは
とはいえ、どのようにイベント企画書を書けば相手に伝わるのでしょうか。ここからは、イベント企画書に記載する内容をまとめたフォーマットをもとに、相手に伝わりやすい企画書の手順・構成・書き方を紹介します。
【前提】「イベントの成功」とは何かを考える
実際にイベントの企画書を作成する前に、そもそも何をもって「イベントの成功」といえるのかを考えます。たとえば「来場者に商品・サービスの魅力を伝え、見込み顧客を増やす」のような、イベントの開催によって具体的にどんな変化を起こしたいのかを考えます。
ただ、あまりにも短期的な目標や自社側の都合を優先しすぎるような目標では、イベントの内容がセールスに寄ってしまい、来場者にとって魅力的なイベントにはならないことも。
そのため、自社の都合と来場者の都合を考え、双方の目的が一致するような「成功」を考えるとよいでしょう。
【構成】「伝わること」を目的に構成を検討
内容の整理ができたら、次は実際にイベント企画書の作成に移ります。イベントの内容や規模によって項目は異なりますが、下記が一般的な内容です。企画している内容に応じて、項目を追加しましょう。
1.イベントの概要 └タイトル/実施目的・ターゲット 2.イベントの詳細 └コンテンツ内容/イメージ └集客プラン └諸条件(日時・場所・予算・運営体制) └スケジュール └KPI(効果測定方法) 3.その他補足事項 |
イベントの概要(タイトル/実施目的・ターゲット)
まず記載すべき内容は、イベントの概要です。イベントの内容を魅力的に見せるタイトルや、「なぜイベントを開催する必要があるのか」を考慮した実施目的、そしてライフスタイルや趣味などから想定するターゲットなど、イベントの概要を記載します。これにより、決裁者や関係者がイベントの内容をイメージしやすくなるため、内容の理解や社内の承認につながります。
イベントの詳細(コンテンツ内容/集客プラン/諸条件/スケジュール/KPI)
イベントの概要が決まったら、コンテンツ内容や集客プランといったイベントの詳細を考え記載します。
目的に沿ったコンテンツ内容や、ターゲットをイベントに呼び込むためのプラン、その他イベントの日時や場所といった諸条件にくわえ、当日までのスケジュールといった要素を考え、企画書に記載します。
また、イベント実施によって期待できる効果を示す「KPI」の設定も重要です。開催によってどのような効果が期待できるのかを前もって設定することで、決裁者が意思決定しやすくなるため、参加人数や獲得リード数など、数値で評価できる指標を設定し、検証を進めましょう。
あわせて、イベント企画書は内容変更に対応しやすく、PCやタブレット、スマートフォンで手軽にアクセスできるスライド資料(パワーポイント)やPDFなどデジタルでの作成がおすすめです。
【書き方】イベント企画書の事例紹介
それでは、構成をもとに作成したイベント企画書を紹介します。
テキスト以外にも図や写真を用いることで、関係者間で内容をイメージしやすくなるため、内容にあわせて書き方を工夫します。
1.イベントの概要 └タイトル:2023年法人向け展示会 └実施目的:スポーツ振興や地域活性化の分野において、できることを官公庁や自治体の関係者に認知してもらう └ターゲット:法人・官公庁・自治体向け(to B) 2.イベントの詳細 3.イベントのイメージ図 4.その他補足事項 |
【より伝わるために】イベント企画書の書き方のポイント4選
イベント企画書の内容や目的が伝わるためには、相手が何を知りたいのか理解し、先回りして解消することが大切です。ここでは「伝わる」イベント企画書にするための、書き方のポイントを3つ紹介します。
ポイント1.自社の特徴を生かしたイベントを企画する
まずイベントを企画する際には、自社の特徴や強みを生かしたイベントを目指しましょう。
新規性(競合他社がまだやったことがないイベントか)やストーリー性(イベント開催をして伝えたいこと)があるイベントの企画を目指すことで、競合他社との差別化だけでなく、自社でしか開催できないイベントになるでしょう。
例えば、光関連の電子部品や機器を製造する、浜松ホトニクス株式会社では、自社の光技術をアピールするため、「光で何ができるか」をテーマに「PHOTON FAIR」を開催。最新の製品や技術を展示すると共に、浜松ホトニクス株式会社様の将来ビジョンのアピールができました。
ポイント2.予算と使途を明確にし、費用対効果を算出する
イベントの開催に必要な費用の検討も、企画書作成において重要なポイントです。まずは、イベントの企画書では開催にかかる費用と、開催によって達成される数値目標(KPI)を説明し、費用対効果を算出。単にイベントを開催するだけでなく、事業との結び付きや想定される具体的な効果を説明できると、関係者の理解も深まるでしょう。
ポイント3.想定される課題を事前に書き出し、リスクヘッジをアピールする
どれだけ入念な準備をしていても、イベント当日に思わぬアクシデントが発生するといったことも考えられます。
例えばイベントで使用する機材が届かず、準備に遅れが出てしまったり、搬入時にスタッフがケガをしてしまったりといったことも考えられます。
そのため、イベント企画書で、想定される課題やリスクをリストアップし、解決策も書いておきましょう。あらかじめ課題やリスク、解決策を記載することで、企画の内容を詳細に検討できるだけでなく、関係者に企画への熱意や責任感のアピールにもつながります。
イベントの方向性を決める企画書が承認されたら、次は運営の準備に取り掛かります。以下の記事でイベントの運営に必要な準備やマニュアルの作成方法を詳しく解説しているため、ご興味のある方はぜひ、お読みください。
イベントの運営に必要な準備やマニュアルの作成方法紹介記事はこちら
ポイント4.企画書の決裁フローを理解し、どんな書き方であれば企画が通るのかを考える
とはいえ、どんなに丁寧に企画書を作成したとしても、承認されなければ企画は実現しません。そのため、企画書を作成する際は「誰が企画を承認をするのか」「どのタイミングで企画が承認されるのか」といった承認フローをあらかじめ確認し、どのような工夫をすれば企画が承認されるのかを考えます。
以下でいくつかパターンを分けながら解説をしていますので、ぜひ参考にしてみてください。
パターン1.決裁者が忙しく、十分な説明の時間がとれない場合
企画の決裁者に限らず、何かを承認する立場にいる方は、「基本的に忙しい」ということが多く、1つひとつの企画に目を通す時間が限られています。そのため、何十枚もの分厚い企画書を作成したとしても「要点は何?」「このイベントの目的は?」のように訊ねられることも、少なくありません。
この場合には、通常の企画書にくわえ「要点をまとめた1枚の資料」を用意するとよいでしょう。1枚のなかで「目的」「内容」「スケジュール」など、検討に必要な要素を説明し、少ない時間でイベントの内容を伝えることができます。
また、要点をまとめた資料を事前に配布したうえでプレゼンを行うといった使い方も有効です。このように決裁者の特徴をあらかじめ把握したうえで企画書を準備することも、企画書の内容を考えると同時に重要なポイントです。
パターン2.プレゼンを行い、複数人で承認をする場合
一方で、決裁者が一人ではなく複数人いるといった場合もあります。特に、大規模なイベントの場合は、予算規模に応じて社内の検討チームが発足するなど、大多数に向けてプレゼンを行う必要がある場合も考えられます。
この場合は、あらかじめプレゼン出席者に対し事前に資料を配布したり、意見やアドバイスをもらったりといった行動が有効です。あらかじめ内容を伝えることで出席者の意向や企画そのものの改善につながるため、決裁者が複数人いる場合には、試してみるとよいでしょう。
展示会・イベントの企画・設計・施工・運営はフジヤへご依頼ください
イベント企画書を作成する際には、相手に「伝わること」を意識し、誰が見ても認識が揃う企画書を目指しましょう。イベントを成功させるには新規性のあるアイデアや、自社の強みやイベント運営に関するノウハウが必要です。
とくに展示会のようなブースを使ったイベントでは、ブースの設営や運営が集客に影響するため、専門知識やノウハウが重要です。弊社ではこれまで300社以上の企業イベントブースのプランニングや設計、施工をワンストップで提供してきました。ブースを使ったイベントを熟知したプロが、成果につながる展示会のブースづくりや運営サポートを実施いたします。
まずはお気軽にご相談ください。