イベントの運営には準備が不可欠! マニュアルや役割、当日の流れなどを解説
感染症対策によるさまざまな制限が課され、イベント・展示会をオフラインで実施することが難しかったコロナ禍。
とはいえ、そんなコロナ禍も明けつつあり、イベントの開催制限や施設の使用制限が廃止されたいま、イベント・展示会の実施数は増加傾向にあります。プロモーションの一環として新しくイベントを実施したり、コロナ禍以前に実施していた展示会を再開させたりしたいと考えている方も多いのではないでしょうか?
今回は、イベントの検討から当日を迎えるまでの流れの紹介や、スムーズな運営に欠かせない準備のポイントについて解説します。イベントの実施を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
【検討時】イベントの運営に欠かせない3つの検討項目とは
新製品発表会や株主総会、そのほか展示会や周年記念パーティー、そして会社説明会……など、企業が実施するイベントの種類は多岐に渡ります。大事なイベントであればこそ、成功に向けた入念な準備が欠かせません。
ここでは、大事なイベントを成功させるうえで欠かせない3つの検討項目を紹介します。
項目1.イベントのターゲットと目的を定める
まずは、イベントを「誰のために・何のために」実施するのかを考え、ターゲットと目的を定めましょう。
ターゲットと目的を定めることで関係者間の認識がそろうだけでなく、イベントの方向性が明確になったり、必要な準備や当日の設営もイメージしやすくなったりといった効果が期待できます。
また、来場するターゲットにどんな行動をしてもらいたいか、どんな価値を受け取ってもらいたいかについての検討も重要です。「なんとなく」でイベントを進めてしまうと、目的や来場者への訴求ポイントが定まらないだけでなく、来場したお客さまの印象にも残らない展示になりかねません。
そのため、イベントを検討する際は、ターゲットと目的を定めたうえで、どんな行動をしてもらいたいかまでを考えることをおすすめします。
項目2.6W2Hの視点で戦略を検討する
イベントのターゲットと目的が定まったら、次は「6W2H」の視点で内容を深掘りしてみましょう。6W2Hのフレームワークは以下のとおりです。
Who:誰がイベントを開催するのか Whom:誰に向けてイベントを開催するのか Why:そもそも、なぜイベントを開催するのか What:イベントで何を行うのか When:いつ、どの期間でイベントを開催するのか Where:どこでイベントを開催するのか How:どのようにイベントを運営するのか How much:イベントの予算はいくらか |
6W2Hのフレームワークの活用で、イベントに具体性が増します。イベントのターゲットと目的は定まっていても、「何を」「どのように行う」のかがわからなければ、イベント目的の達成は難しくなるため、6W2Hのフレームワークを活用し、何をすれば目的達成ができるかを考えます。
また、フレームワークを活用することで、イベントに必要な備品の発注もれや、関係者への告知といった項目の見落とし防止にもつながるため、あらかじめフォーマットに沿って認識をそろえることで、関係者全員が安心して準備を進められるといった効果も見込めます。
項目3.具体的なスケジュールを決定する
ターゲットと目的を6W2Hの視点で検討したあとは、イベントの具体的なスケジュールを決定します。
イベント開催までのマイルストーンを整理し、当日から逆算してスケジュールを立てましょう。イベントの内容や規模によって異なりますが、下記が一般的なスケジュールです。
企画立案→告知→手配→開催→終了・次回に向けた振り返り 企画立案(〜3ヵ月前):イベントのターゲット・目的を定めたうえで、日程や予算、必要な準備の内容を決めます。また、会場などは前もって手配が必要なため予約を行い、場所を確保します。 告知(2ヵ月前〜):SNSやWebサイト、DMなど、ターゲットの集客に効果的な媒体を検討し、告知をします。 手配(〜1週間前):イベントの企画にあたって必要な会場や機材の手配を行います。 開催:イベントを開催します。 終了:次回に向けた振り返りとして来場者の集計、情報管理を行い、来場のお礼とフォローをかねたサンクスメールを配信します。またアンケートやヒアリングシート、商談内容をもとに顧客評価(スコアリング)を行い、確度の高いお客さまには早めの商談設定などの対応を進めます。 |
もちろん、イベントの規模や使用会場によって工数や日数は前後するものの、あらかじめ日程を整理し準備にかかる工数や日数を算出しておくことで、スムーズなイベント運営につながります。
【準備時】イベント運営に向けたマニュアル作成の3つのポイント
3つの検討項目以外にも、イベントを運営するにあたっては考慮すべきこと、スタッフ間で共有すべきことは多々あります。また、コロナ禍が明けつつあるとはいえ、感染症対策についてもルールを決めておくことが望ましいでしょう。
ここでは、これらの項目をわかりやすくまとめ、準備・運営を効率的に行うための「マニュアル」の作成方法を解説します。
ポイント1.マニュアルは「もれなくダブりなく」の意識で用途ごとに作成
マニュアルを作成する際は、「MECE=もれなく、ダブりなく」を意識するのがポイントです。必要に応じて図や写真を活用しながらわかりやすく内容を整理し、マニュアルを見れば誰でもイベントが運営できる状態を目指します。以下にて、マニュアルで掲載しておくとよい項目を説明します。
イベントの基本情報や進行スケジュール表
まず記載すべき内容は、イベントの基本情報(タイトル、開催日時、会場、主催者など)や、当日の進行スケジュール表です。イベントを運営するうえで欠かせない内容のため、たとえ小規模なイベントでも記載しておきましょう。
使用機材や必要備品リスト、会期中の立ち方・待ち方など人員配置
続いて、イベント当日に「必要なものがない」「どこで待機していればよいかわからない」といったトラブルを防ぐために、使用機材や必要備品リスト、会期中の人員配置を記載します。
また、搬入・搬出のフローやスタッフの体制図も記載しておくとよいでしょう。特に、初めての会場であれば搬入・搬出の場所がわからず戸惑ってしまったり、持ち場ごとの責任者が不明確だったりすれは当日のイベント進行に支障をきたします。事前に準備や当日のイベント進行がよりスムーズに進められるよう、細かい部分までマニュアルを作り込みます。
トラブル発生時の緊急連絡先、感染症対策
どれだけ入念に準備をしていても、イベント当日にトラブルが起きてしまう場合も。その際に慌てずに正しい対応ができるよう、マニュアルには必ずトラブルの対処方法と緊急連絡先を明記しておきましょう。
また、換気や消毒、飛沫防止シートの設置など、感染症対策をどのように行うか、誰が行うかについても記載します。来場者が安心してイベントを楽しめるよう、スタッフ間で認識をそろえることが重要です。
ポイント2.マニュアルをもとに打ち合わせ・リハーサルを実施し、認識をそろえる
マニュアルが完成したら、無理なスケジュールを組んでいないか、機材や備品の数は足りているか、人員配置は適切か……など、スタッフ間で読み合わせし、内容に不備がないかを確認します。
マニュアルの読み合わせが済んだあとは、当日のスケジュールに沿ってリハーサルを行いましょう。会場の広さやレイアウトは、足を運んでみないと体感的に理解できないもの。実際に使用する会場で、スタッフの動き方や連携について確認しておくとよいでしょう。
ポイント3.PDFなどで作成し、管理ツールやドライブ経由で共有することも
マニュアルには電子マニュアルと紙マニュアルの2種類がありますが、イベント運営においてはPDFなどの「電子マニュアル」がおすすめです。
準備期間中に発生した内容変更に対応できるだけでなく、PCやタブレット、スマートフォンで手軽にアクセスできるため、忙しい設営時や当日でもマニュアルを確認しやすいといった利点も。電子マニュアルを作成したら、社内の管理ツールやドライブを経由し、スタッフへ共有しましょう。
【実施時】イベント当日の運営・対応方法
とはいえ、イベント当日は想定外のトラブルが生じたり、準備どおりに進まなかったりすることも。ここからはイベント当日を「設営・準備」「開場〜終了」「撤収・振り返り」の3段階にわけ、スムーズに進行させるためのポイントを紹介します。
設営・準備:時間に余裕をもって設営を行う
いよいよ迎えたイベント当日。時間に余裕をもち、1時間〜1時間半まえには会場の設営・準備を開始しましょう。事前に作成したマニュアルの「使用機材や必要備品リスト」を参照して、スタッフ間で連携をとりながらセッティングを進めます。このとき、使用するプロジェクターやスピーカー、マイクが正しく動作するか、機材チェックも忘れずに行いましょう。
開場〜終了:来場者に気を配りながら、スケジュールを進行する
イベントが開場したら、来場者に気を配りながらスケジュールを進行します。トラブルもなく終了時間を迎えることが理想ですが、悪天候や公共交通機関のダイヤ乱れ、来場者の体調不良など、当日にイレギュラーが発生してしまうことも。そのような状況でも臨機応変に対応できるよう、緊急連絡先が記載してあるマニュアルを手元において、トラブルの対処方法をスタッフ間で共有しておきましょう。
撤収・振り返り:終了後は速やかに撤収。後日、振り返りを実施する
イベント終了後は速やかに撤収し、後日、振り返りを実施します。来場者アンケートを実施した場合は結果を分析し、当日の様子や設営・運営に関わったスタッフからの意見をまとめましょう。ただ「イベントを実施して終わり」とならないよう、次回以降のイベントをより良くするための改善点を洗い出すことが大切です。
また、イベント実施後に来場者へお礼とフォローをかねたサンクスメールの配信も忘れてはいけません。たとえば、株式会社フジヤが提供するQRコードを用いた展示会・イベント来場者管理システム「ツーカン」を活用すれば、イベント実施後に来場者の顧客情報から即座にサンクスメールの送信や次回イベントのご案内といった情報配信ができるため、イベントの振り返りを活用したマーケティングが可能になります。
展示会・イベント顧客管理システム「ツーカン」紹介ページはこちら
展示会・イベントの企画・設計・施工・運営はフジヤへご依頼ください
イベントの運営には、入念な事前準備や専門的なノウハウはもちろん、早めに着手し、段取りや準備を丁寧に時間をかける必要となります。ただ、初めてイベントを開催する場合や初めての会場にイベントを出展する場合は、必要な事前準備の内容がわからず、思ったよりも時間をとられることも。
そのため、魅力的なブースの設営と効果的な運営を実現したい方は、ぜひ株式会社フジヤまでご相談ください。空間演出のプロ集団が、貴社のイベント運営をサポートいたします。
まずは、お気軽にご相談ください。